天国映画村とは、邦画を中心にみて分かち合いをする集いです。SIGNIS JAPAN 「カトリック映画賞」の選定にも参加しています。
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2013/04/08(月)12:02
真正の家族の映画

シグニスジャパン顧問司祭  晴佐久昌英

「家族」って、なんだろう。
血のつながりじゃない。夫婦とか養子とかは、血はつながっていないけれど家族だ。
法律で決めることでもない。親友とか同居人とか、家族以上に家族だってことがある。
カトリックの結婚式で、二人の誓いに続いて司祭が宣言する言葉がある。
「神が結んだものを、人が分けることはできません」
聖書にあるイエスの言葉だが、これこそが、家族の定義なのではないだろうか。
家族とは、大いなる力に結ばれていると信じて、ともかく一緒にいるチームのことだ。
その人がどんな性格か、その人を好きか嫌いか、その人に何が出来るか出来ないか、そういう個々の条件と一切関係なく、天のご縁を信じて共にあり続けるチームがあるならば、それは間違いなく家族だ。

この映画は、家族の映画だ。撮っている対象は一児童養護施設だが、血縁ではないのに、血縁に恵まれなかった子どもたちとただひたすらに一緒にいるという稀有なチームを撮っているという意味で、真正の家族の映画だ。互いにぶつかりあうこともあるし、失敗することもあるし、時には疲れ果てることもあるけれど、ともかく一緒にい続けて、共に成長していくチームを、カメラは愛情を持ってどこまでも追い続ける。
こうなるとこれはもはや、ホームムービーであろう。撮っている人もまた、いつしか家族の一員になっていることが、画面の端々から隠しようもなくにじみ出ている。はじめのうちは音楽もナレーションもないことに戸惑ったが、ホームムービーだと考えれば納得がいく。撮る者にしてみれば、そこにただ愛する子どもが映っていればいいのだから。
撮ることは、愛することだ。カメラもまた「隣る人」となって、つらい現実を背負う子どもたちと一緒にい続けたことに、賞を差し上げたいと思う。
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